辻の人
縁側説法がはじまる前のこと
時計を見れば10時10分、今日は随分早く到着された様子の細身の男性、グレーっぽいカッターシャツにズボン姿。
きちんとご本尊様へご挨拶され、本堂の椅子へ座り他の方を待っておられる….
本堂の電灯は皆さんがいらっしゃらない時は消灯、でも居られるのに電気を付けていなく、事務方へ電気をつけるよう指示。
今日の話は「遠仁」とても大切なことを伝えるため、いつもは書くことよりも話が多い、だが、今日はホワイトボードをへ事前書き込みをしました。
女性が一人「時間まで草引きしますね」の声がけ、椅子に座られている男性に気がつかなかったのかしら….
事務方へもう一度「蒸し暑いからエアコンと電灯はつけてくれましたか?」と。
机を並べる女性を手伝う姿、率先して手伝ってくださるありがたいことです。
さて、時間となり…あれ?一人足りない、尋ねてみても外ですかと聞いてくる、いやいや先ほど居られた方です、皆さん目が点になっているじゃないですか。
そうか…辻の人だったのね、それにしてもリアルすぎる、何事もなければと話を進めました。
3時を過ぎた頃、女性が困り果てた様子で来寺されたものの、納受できかねることでしたので丁重にお断りしました。
遠仁者疎道 不苦者有智
コメント ( 1 )
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私事ですが18日は亡父の誕生日。この日にご縁を頂き縁側説法に参加させていただきました。
誰もまだいらっしゃらない本堂なのに御住職から数度、電気、エアコンがつけてあるか尋ねられました。説法が始まる数十分前につけましたが、もうお一方の男性はと・・・いえいえお見えになっておられないのです。そこでよくよくお話を伺い、納得。お参りして椅子に座っておられるのに電気もつけず、なんと薄情なと思われた事に些か思うところがありましたが、それもそのはず住職にしか見えてないその方のお姿ですから。きっとお見えになるだろうとお待ちをしてましたが、何かのご都合ができたのでしょうか。お話、伺いたかっただろうなと思えてなりません。そんな不思議な始まりの6月の縁側説法でした。