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魂のスーツ

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百二歳の旅立ち

家族のことを誰よりも心配されていたご婦人

軍人の夫と早いお別れされ、幾多の難儀を過ごされてきました。

20年の前にたった一度だけお会いしました、物静かな小柄のおばぁちゃん、旅立ちの間際のなかでも家族を心配されていました。

魂を包む肉体というスーツをゆっくり丁寧に脱がれ、本当に寂しさもみせずゆっくり末魔が外れていく。。。

マントラ念珠がお寺に届き、先ほど旅立たれたご婦人へ御本尊様を通じ届けさせていただきました。

ご遺族は始末をしてほしいとのことでしたが、悲しい目をされているご婦人は「辛いとき私を支えてくれた宝物です」と、その願いを叶えてあげたく….

戒名をお唱えさせていただいた途端、掌のなかの念珠がパラパラ弾け親玉だけが残りました。

いつも自分の事は願わず、誰よりも家族を愛したご婦人が亡くなってから、はじめての願いを叶えてあげられた瞬間でした。

それからもうひとつ、心配されていたお孫さんから別便で手紙がとどきました、あれだけやんちゃを言って困らせていたお孫さん、あの子も20年の中で大きく成長しました。

「思えば、私が知っている祖母は、どんなときも真面目に生きた人でした。私がまだ物覚えがつかぬ幼少の頃、童謡の七つの子や美味しい手作りの野菜いっぱいのシチュー、焼き鳥のレバーを買って食べさせてくれたりと思い出は尽きません。祖母には心配も苦労もかけ通しでしたが、心配せず行く道に迷わず、そして振り返らずまっすぐ祖父の元へ行き幸せになってほしい」お孫さんに通じたのでしょう、一便遅れでしたがご供養料(頑張って働いたあとが感じられます)を添えられ送られてきました。

お手紙を読んで聞かせると、お婆ちゃんの目から大粒の涙が溢れていました。

初盆だけではなく、いつでも飛んでいらっしゃいね。

 

亡き人へ読んであげてほしいと送られてくるお手紙は、仏さまへお勤めの際読ませていただきます。

先日は、御本尊さまとみさをさんへ届けられた新茶を飲んでいただきました「まろやかなとても美味しい」と喜んでおられました。

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  • コメント ( 2 )

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  1. 敏明

    御供養、ありがとうございます。私も我が家も色々と有りますが、一息ついて、股関節の手術をしてから、また歩き始めようと思っております。なかなか、お不動様、行事等、御寺に顔を出せずじまいですが、また御縁を頂けた時に参拝させていただきたいと思います。これから暑さ厳しくなると思われますが、住職、寺内の皆様、御身体御自愛され、お過ごしくださいませ。色々とご多忙の中、ありがとうございました。

    • wakei

      敏明さん ほとけ様が見ていてくださいます。一歩ずつしっかり歩み、お祖母様のご恩に感謝してまいりましょう。敏明さんも、お元気でいてくださいね。

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