足止め参り
強い風が音を立て、枯葉を舞い上がらせる
パンジーの花殻を取っているところへ、一台の車が入ってきました。
御本尊様へ老夫婦が交互に手を合わせられたあと、気になり声を掛けることに。
いつも前を通られ十数年、今日はどおしても参らせていただきたいと、勿論、私のことは存ぜぬ様子なのでそのままお話をさせていただいた。
お不動さまとお薬師さまが足止めされたのでしょう、お名前も聞くことなく「奥様、癌じゃないかしら、ご主人は腎臓が…」話終わらないうちに「えっ?どうしてお分かりに、実は乳癌で今月手術なんです。主人は透析をはじめたばかり、少し認知症があり心配なのです」小一時間ほど他愛のない話をしているうちに顔色がよくなってきました。
お見送りする出口で突如、無口なご主人が「母さんここはいいとこだよ、よかったな。俺がついてるから」奥様の靴を揃えられ「お父さん!!分かるの?」大粒の涙をポロリ
二人並び支えながら階段を降りられ、振り返り頭を下げられておられました、御本尊様が足止めされたご縁、明るい笑顔になられ不安でいっぱいの手術もきっとよい結果となるようです 合掌
昨夜も今夜も、ちらつく雪、大雪が降る地域の皆さま、暖かくしてお休みください
コメント ( 2 )
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ご住職 おはようございます。「足止め参り」なんかわかるような気がします。日向ぼっこ日和だったあの日、何台もの車が桜の前で減速、停止するものの降りる方は1人もいませんでした。「せっかくだから…」と何度心の中で呟いたことか。お参りされるご縁、通り過ぎるご縁、仏様は見ていてくださる。奥様も無事に手術を終え、穏やかな1年でありますように
にーださん こんばんは あの日は心地よい一日でしたね。 もったいないくらいのゴージャスな時間と桜、またいつかあの縁台で鳥の声を聞きながら小山のコーヒーを(*^^*)