殺し蓋
何とも恐ろしげな題名ですね。
実は、亡き祖母が教えてくれた漬物のつけ方なんです、我が家に伝わる粕漬けを仕込んでみました。
塩漬けした瓜を洗わず、一晩塩が浮き上がるまで干します。
乾いた布で浮いた塩を丁寧に拭き、酒粕とキザラを混ぜた床へ綺麗に並べては酒粕を重ね、途中に粕だけで漬けた皮をむいた一年もの瓜を重ねを繰り返し、最後の蓋になる部分だけキザラを入れない粕で蓋をします。
その上に、キュウリの塩漬けしたものを一週間ほど干し、「塩殺し蓋」を作り粕の上に並べます。
さらに紙蓋をして、殺し蓋の様子を見ながら二度・三度漬け直し、三年先ごろにようやく食べられるようになります。
腐り止め・カビ止めなどとも言われ、その家々に伝わる仕込み方です。
見よう見まねの五十年ぶりの仕込みですから、上手くいくか心配ではありますが何とかなるでしょう。
体で覚えたことは、忘れないものですね。
この瓜の塩が抜けた頃がちょうどよい時期、それまでのお守りが大変ですけれど、美味しいのですよ。
コメント ( 3 )
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出来上がって食べたらそれは記憶を蘇らせる懐かしい味なんでしょうね(^0^)楽しみですね〜
手の怪我も何のその、五十年前のレシピに取り組むその制作意欲に恐れ入ります。
キザラ…あまり聞かない名前ですがザラメの仲間ですかね。べったら漬けのような甘い漬物になるのかなぁ
座敷オヤジさん 祖母はザラメを何故かキザラと、私もザラメよりもキザラが好きです。奈良漬と粕漬け、べったら漬け、守口漬け、似ているようですけれどどれも美味しいですね。お盆近くになるといろいろな地域の仏様が教えてくれることがあり、言われた通りに作ったりもします、面白いですよ。それこそザラメとキザラ同じものなのに、言葉がわからず苦慮することも多いです。そういうことをしているとね、手の痛みが無くなるから不思議なんです。三年後にあの頃は若かったって、漬物を食べながら思うのでしょうね(笑
座敷オヤジさん 粗目と黄ザラ、中双糖(白砂糖)があるそうです。べったら漬けは白い漬物、守口漬けは細長い大根、漬物も奥が深いですね。おかげさまで黄ザラと粗目の違いを学ぶきっかけをいただきありがとうございました。