個別指導
装束の個別指導を朝から行いました
その人が分からないところを指導するため、同じように縫い進めます
特に衽と襟付け、袖の縫いが生きておられる方と縫い目を逆にするところは、みなさん茶の木畑に入るようです。
大勢で行えば話を聞いていないと抜け落ちるところがあるが、安いのか高いのかわかりませんが費用も頭割りになります。
個別指導となれば分かりやすく、身ごろは裁断から要所の説明と5時間ほどで仕上がる、その費用は積善として寺の何某かに使われ、お寺の維持や修繕へ使用されるのでこちらとしてはお役に立て、身につけていただければ何よりです。
私の指導は、平生と勝手が違い無駄話も俗世の話もなく、食事も全く別々、納得してもらうのが大事ですから、また、本人からの申し出であり本人と同じように一枚を縫い上げる訳です。
5時間の縫い物、結構体力と集中力が要ります、ややもすれば縫えばいいという気持ちが出てくると、肝心な思い遣る心が抜けてしまう、ひと針づつへ思いを込める、しかし、時間が掛かり過ぎれば納棺に間に合わず亡者を裸で送り出してしまう。。。
間に合わなかったと落胆することはありません、ちゃんと届ける方法があります。
意味を知り縫う、生前中は寿衣といい受ける方の幸せなこと極まりなし、お通屋の夜に親族で布を引っ張りながら故人への感謝を述べつつ縫わさせていただく、浄土の旅の正装ですね(個人的な思いです)
もちろんこれだけではなく、布団から袈裟・足袋や頭陀袋、帯に脚絆手甲などなど。。。
生前、祖母はひと通り用意し、入院するときなどは風呂敷に包み枕元へ持参しておりました、もうあかんかもしれない….そんな山をいくつも乗り越え三十年以上前、齢100歳近くまで元気でおりました。
娘や息子・孫たちから還暦のお祝いとして、いつまでも元気にと贈られた古きよき習わしでもあります。
次回の「装束を縫う会」は11月15日です、詳細はお寺へ10〜4時までの間にお問い合わせください。
少し厳しかったかなぁ….と、思いつつの只今です。
コメント ( 2 )
トラックバックは利用できません。
生前にこの装束を用意すると長生きできるとどこかで見た覚えがあるのですが、あながち間違いではないのですね。
親族で引っ張りながら縫うという工程が今一つ分からないのですが…綱引きみたいに布を張った状態で縫い進めるのでしょうか。また全部の工程を引っ張った状態で縫うのなら結構体力がいりますね。可能であれば引っ張り縫いをしている写真を掲載していただけるとありがたいです。
次回の装束を縫う会は欠席します。皆さん頑張ってくださいね〜(^0^)
座敷オヤジさん 引っ張り抜いとはそんなに力を入れず、くけ台ってご存知ですか、あのくけ台の代わりを親族が行います。背縫いなどのところなどは真っ直ぐなので、子供さんでも持っていられるかと思います。しばし、お待ち頂き写真を掲載できればと考えております。次回はお仕事柄一番繁忙期に入られる、承知いたしました。