温情
本堂前の桔梗、形といい色といい自然の不思議
明日「父の日」ですね、生死に関わらず日ごろできない感謝を形に。
この日を迎えるといつも寡黙だった父を思います、そして祖父や師僧・三人の元役員方々。。。
約束のうてなの男性方々、昔も今も変わりなく私を支えてくださる。
幼い頃から夫婦喧嘩、親子喧嘩、兄弟喧嘩というものを知らず育てられました、地元の人々とも争うことより、助け合う姿しか思い出せないのです。
そんな中で「自分だけ得をする」これには特別厳しく、たくさんのエピソードが残っております。
懐かしく思う方もおられるかと「一斗枡」、実家は農家ということもあり、納にいくつか置いてありました。
お正月様を迎える少し前に祖父が我が家に集まるよう、父に伝え足腰の弱まった人はおんぶしたりして、みんなが寄ってきます。
大きな風呂敷や白い布袋を手に円陣をとり座り、祖父をはじめ父も家族も下座の寒いところへ控えます。
「今年も前田家を支えてくれご苦労様でした。良い正月を迎え、来る年もお力添えをお頼み申します」挨拶はこれだけ、ゴザを広げた上に一斗枡が並び積み上げられた新米の米俵から米を計って次々渡していきます。
おばさんがきたとき「マスを叩け」えっ?叩けと言われたから、思いっきりすり切り棒で叩いたら叱られた。
升の周囲を小刻みに叩くと米がいっぱい入る、次の人もかと思えばそのまま、その上にひと握り足してあげる。
不思議に思い聞いたところ「あのおばさんの旦那さんが病気になっただろう、働きたくても働けんからなぁ、正月ぐらい遠慮せず腹いっぱい食べ元気になるといいだろう」
その次の家は病人いないけど「人間は羨ましかったり、妬んだりするとお互いうまくいかない、それで心米をひと握り足して妬まない心を褒めてあげるんじゃ」
その頃の私はもったいないなぁ….月明かりを頼りに落穂拾いをして頑張ったのに、損をしているような気がしていました。
大人になり、よいときもあれば食べるものに困るときもある、でもね、笑顔で挨拶をしているとジャガイモ取れたから持っていくかって、たんといただく、それをちょっとずつお裾分け。。。
なんだかんだとお助けをいただき、今日までこれたのも祖父の教えがあり、師僧のお導きをいただきお陰様がみえてまいりました。
芒種の期間、今年もよい種まきができる縁に感謝です。
コメント ( 2 )
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一斗枡、農家の出身ですが初めて見ました。
みんなで分けるとみんな幸せ、不思議と昔から身についていた習慣、ご先祖様に感謝です(^0^)
座敷オヤジさん 一斗枡、頑丈で重たかったです。そこへ米を入れ持ち上げるから凄い力持ち、お父さんなら記憶にあるかもしれません。もしかしたら関東は四角だった可能性もあります。我が家は仏間は四角いテーブル、居間の飯台は折りたたみの丸、家族の顔が見られるから。暮らしの中に息づいていました、有難いことです。