紅絹
紅絹と書いて「もみ」と読みます、紅花で赤色または緋色に無地染めした絹の布です。
ウコンで下染をしたあと、紅花を揉んで染めたことから「ほんもみ」ともいいます、昭和の初期頃まで節絹(ふしぎぬ)平絹、羽二重などを多く用いられておりました。
現在は合成染料の普及により、ほとんど生産されていないようです。
紅色は古来より、邪気を払う・魔除けとして一生涯の色とも、ものの怪除けには新しい「ほんもみ」を使用します、無くなってくると自分で染めております。
左の写真がウコンと紅花で染めたもの、右のは合成染料で染められた絹・縮緬です。
もし機会があれば紅花を揉んでいただくとお分かりかと、黄色が先に出たあと赤色がでてきます。
下染めにウコンを使い、上染に紅花(こうか)を使い、いずれも身体に良いとされるものを使い、中に詰めるものも定めております。
ものの怪は本来悪さをするものではなく、人々がものに対する恩を忘れたが故に変じたもの、特に事八日とされる十二月八日から翌年の二月八日の期間が物忌、ものの怪が跋扈し取り憑かれやすい。
その人に憑くであろうものの怪を丹精込めた依代をつくり、施主の報恩として名前を記し添え期間がすむまで本堂軒先に下げます、その後、人目につかないところで更に供養を続けます。
紅絹が少なくなる頃、境内の一角に花を植え絹を調え染め、手間隙を掛けながら「ものの怪」を慰めます、来年はウコンと紅花を植える年です。
紅色は昔から、妊娠・出産・七五三・十三詣り・成人・還暦など一生涯の色として、日常から大切にしてきた色なのです。
ものの怪の恐ろしさに遭遇する前に、されるかどうかはご自由です。
荒ぶれる昨今、少し伝えられるところまで記しました。
コメント ( 3 )
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ご住職 おはようございます。いつもお世話になりましてどうもありがとうございます。よくわからないので教えてください。もののけは施主の身代わりになる依代に取り憑くのでしょうか。期間が経過した後、さらに供養が続くのは、もののけの対してなのか、取り憑かれた依代の御供養ですか。自分が取り憑かれないようにお願いなのか、もののけに許してもらい鎮まってもらうためのご供養なのでしょうか。国語力、理解力がなくて申し訳ありません。
にーださん こんにちは とても良い質問をありがとうございます。私の文章力が足りず申し訳ありません。1、一年の中で心が騒つく期間であり、気持ちが緩みやすく「木の芽どき」「気印」との一説もあります。 詳細は書けませんけれど、気を張れていない人だけではなく稀に動物にも見受けられます。
この期間にものの怪の依代とするためのあるものを詰め、紅絹へ包み込み施主の名前を記します、その人に関わるであろうものの怪を依代封じを行い、人の気が安定する二月八日まで軒先に吊るします。その後、ものの怪に対しての供給資養をしていきます。取り憑かれる前に施主が申し込まれております。様々な行事にそれぞれの意味合いが込められ、目的に応じ行われています。この度の出先であったものの怪、かなり強力なもの迂闊でした、依頼主が居らず他のお客様にも影響が出てはと。。。焦りました。勿論、そのお店には他のものの怪もおり、知らず知らずのうちに閉店へと持っていかれてしまうのだろうけれど。霊とは別物なのでお祓いなどしても意味がないでしょう。病と病気に差がある微妙なところでしょうか
ご住職 こんばんは ご多忙の中、早速のご回答をどうもありがとうございました。