おかめと鬼
心豊かに

古くからある日本のお面の1つで、丸顔、鼻が低く丸い、頬が丸く張り出しているといった特徴があり、お亀、阿亀(おかめ)とも書き、お多福、阿多福(おたふく)、お福とも言います。
おかめのモデルは実在の女性で、次のエピソードが残っています。
鎌倉時代、大報恩寺の本堂建築の際に、棟梁である長井飛騨守高次(ながいひだのかみたかつぐ)は、大事な柱の寸法を間違えて短く切ってしまいました。
憔悴しきった高次の姿を見た妻の阿亀(おかめ)は、枡組(ますぐみ)という技法で柱を継ぎ足すように助言し、高次は無事に本堂を完成させます。
しかし、いつの世も悲しいかな、女の知恵で仕事が成功したと知られては夫の恥になると思い、おかめは本堂の上棟式の前に夫の誉に邪魔にならぬよう自害してしまいます。
高次は、上棟式で妻の冥福と工事の無事を祈り、本堂が永久に守られることを願っておかめにちなんだ福の面を扇御幣(おうぎごへい)につけて飾りました。
現在でも上棟式の扇御幣は、代々受け継がれる家の繁栄と多福を願い取り付けてある地域、棟梁がいらっしゃいます。
そもそも節分とは、季節の節目(立春、立夏、立秋、立冬)の前日を指し、旧暦では春からが新年とされており、特に立春の前日は大晦日にあたる大事な日なので、節分の中でもこの日が重要視されるようになりました。
人は自身がつくるところの三毒(業)が鬼となり、打出の小槌を持って暴れまわる鬼に対し、人々が豆で追い払うものの、豆がなくなると鬼が再び暴れだし、手に負えなくなります。その時に現れたのがおかめでした。
おかめは愛嬌を振りまき、鬼の怒りを鎮め、優しく諭して改心させるのです。
自分の行いを反省した鬼たちは打出の小槌をおかめに差し出し、舞を披露して去っていきます。
私は思うのです「心の中の本堂を覗いてみれば、本尊は鬼だった」の言葉があるよう鬼もおかめも自分の心の中におり、一年中穏やかな日々ばかりではなく、時として三毒に染まり鬼に変身してしまう事も多くあります。
12月8日〜2月8日までの期間はものの怪が闊歩、季節の変わり目にはとくに邪気が生じると考えられていたため、古来より様々な邪気を祓う行事がありました。
その一つが豆まきです。
年の数ほど業が重なるがゆえに、豆も年の数を拾い食べることには深い意味があるのです。
しかし、喉元過ぎれば熱さを忘れることも事実、この度「お多福と鬼」ご縁の僧侶に依頼し手づくりしていただきました、三毒に染まらぬよう手元に置いて、省みる縁起物(年中可)
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