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盥の水

迷走した台風、皆様方のところにお変わりありませんでしようか?

お寺は大過なく、御本尊様をお守りできました、どうぞご安心ください。

六月の頃、少し大きめな金盥を購入しました。

盥を見ると祖父母を思い出します。

春山に登り山菜を採り、たっぷり水を張った盥の中で洗い、横に据えた竹ザルで水切り、これを何度か繰り返しながら土やゴミを洗い流し、枯れた部分を取りながら水を取り替える。。。

お湯も金盥で沸かし、茹で物にも使いました、浅漬けもしていた記憶があります。

祖母の真似をして金盥を使い少しの葉物洗い、子供にとっては大きなものですから浮かんだ葉物が向こうへいき、手を伸ばしても届かない….

祖父がその姿をみて「欲しいと手元へ水を寄せれば逃げるもんだ、向こうのものが欲しいときは寄せるのではなく押す。自分だけ得をしようと水を寄せても手元から逃げる、水を押してやると向こうから手元に寄ってくる。」魔法が掛かったように浮いた葉物が手元へくる。。。

大人になって、誰もが幸せになりたい、物が欲しい、自分のものにしたい、そう思うときもあった方がいいとも。

三十代半ばで気がつくものも、四十後半で気づくもの、還暦過ぎて気がつくのは少し遅い、かといって早すぎると身を滅ぼす。

浮くものは寄せられるが重いものは自分が動いた方が早い、ものによって工夫することも大事。

我が家の台所には意外と道具が少なく、ただ、同じ物を大中小の3種類はありました。

ザルと盥の扱いを知るだけで嫁入りができる、そんなことも….

八月盆も近くなり、プラスチックから格上げの盥を使い、お盆のご馳走笹団子を仏様へお供えしようと考え中。

手間暇かけたものは「美味しい」のです。

さて、久しぶりの金盥、祖母のようにうまく使いこなせるだろうか、お盆前に枕元で教えてくれることをちょっと期待する、おばぁちゃん子です。

戻り風が強いけれど、一日を過ごせたことに感謝。

 

 

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  • コメント ( 2 )

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  1. まこと

    こんばんは

    北国も今日は暑く、32.5度まで上がりました。物置を片付けていたらあっという間に2時間半。熱中症になる前に切り上げなければと。それでも、酷暑の地方と比べると恵まれています。

    金盥。懐かしい言葉です。

    石炭ストーブの上に置かれた「金だらい」たっぷりと水をたたえて。蒸発皿の役目を果たします。

    朝登校すると、教室の石炭ストーブの薪に、用務員さんが火をくべに来てくれるのです。バス通学だった私は教室に一番乗りになることも多く、石炭ストーブの火の調整役です。ストーブの上の口を開けたままで、石炭に勢いよく火が回るのを見計らい、今度は下の口を開けて石炭に自然に空気を送り込むのです。

    そのタイミングを逃すと・・・。2時間目になっても教室は寒く・・・。

    小・中・高校と、教室は石炭ストーブでした。勢いよく燃える石炭の火の音。金だらいのにおい。懐かしいです。

    今は暖房はスイッチ一つ。しかも、タイマーまで付いて何でもオートマチック。便利になりすぎて、ほどよい工夫を忘れてしまった。便利と不便の中間ぐらいがちょうど良いのかも。

    ご住職のおかげで、金だらいという言葉を聞かせていただき、記憶の扉が開きました。

    • wakei

      まことさん 返信が遅れました。古いものばかりがよいというわけではありませんが、その時代と環境に合わせての工夫がベスト。シンプルなものが融通が利き工夫しやすいですね。

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