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魂の伝言

25日の朝だっただろうか、夜だっただろうか……

暗い中心から少しずつ明るく何かが観える、目を凝らすというより心を研ぎすませ浮かんできたのは女性の「顔」

ご参拝から数ヶ月、いったいどうされたのか

にっこり微笑みもの言いたげな様子。

生きておられるのか亡くなったのか、実はどちらでもない状況に居られるが、肉体としての言葉を発声できず「伝言」を委ね訊ねきたとのこと。

亡者からのメッセージをあづかる事は、察して珍しいことではないが互の生前の関わりや、想いの差があり伝えることが難しい場合が多々ある。

信じるも信じないもその人次第。。。

勿論、お会いしたことがなければかなりお伝えするハードルが高く、伝えることにより実践されるかどうかも相手次第のお任せコース。

二、三の言伝を受け、さぁどうしましょう。。。

魂と肉体が離れてしまったわけでもなく、今、伝えなければならない!!重要なご本人の意思。

片道4時間の高速道路を日帰り、それもタイムリミットが決まっており、ご親戚も集まって居られるなかで宗派が違えばというか、寺同士でも教えの違いなどもありどなたも傷つけることなくお伝えすることができないだろうか。

行くべきか否か、二昼夜ほど寝ていないような気がする、ご本人さんもご子息も穏やかな優しい心根の持ち主、かといって皆がそうとは限らない。

26日の朝のお勤めを終え、今向かわなければ間に合わない、暗黙の了解とでも言うのでしょうか「住職、行きたいのですよね。ドライバーはお任せください」の申し出と留守をお願いした阿闍梨、言葉にせずとも「行ってあげてください」と大きな頷きを感じました。

施せる喜びを御存知の方「梅干しを漬けましたよ、食べてくれるかなぁ〜」「売っているものから比べると恥ずかしいけど、中身を切り干し作ってさぁ、やってみたんだけど」「今年の干し柿、小粒だけど今までの中で、自分じゃ〜一番だって思うけどどうだろう、仏さんが喜んでくれるだろうかね」幾つになっても工夫を楽しんで居られました。

大切な伝言を次男さんへお伝えしました。

間もなく言葉にならない感謝を本人から受け取り「おっかさん!!和慧住職さんから聞いたよ、ありがとうね。」子供達や親族からたくさんの「ありがとう!!」をしっかり受け取られ、穏やかな旅立ちをされました。

真の施しの心、大きな心の宝、今生でお会いできましたことへ感謝と追福を心よりお祈り申し上げます。

そっとその場から帰路へ…..

離れがたいのは何故?

車が帰る方向とは違うところへ、そうか、そうか….

「ここまできたのなら、ちょっとだけでも」娘さんご夫婦と孫が住む家へ寄ってくれとのこと。

近くまで伺うも、一度も訪ねたことがないお家、しかし、歩きはじめた足は迷うことなく、立ち止まることなく玄関前まで到着。

「あの子たちが頑張って手に入れた家です」お祖父さんが嬉しそうでした、お留守を承知で案内してくれたのです。

喜んで足止めをすれば、秋田の方から明朝の御祈願を勤める時間に間に合うよう、敢えてのお計らいへ感謝しメモをポストへ入れさせていただきました。

起きる出来事や光景を体感したドライバー「ありがとうをたくさんいただいているお姿、ドンピシャで辿り着くお家、当たり前じゃない日常の住職だけど改めてある世界だと。きっと、みんな会いたいのでしょうね」とぽつり。

生死の合間、あの世とこの世….あるんですよ。

そうそう、あちらへの手土産として「四国八十八ヶ所」御朱印帷子を梅の枝で染めた風呂敷に包み持参、長野のばぁーさん「待ってました♪」と言わんばかりの満面の笑顔をいただきました。

カスパリ姉さんと同じ祥月、お話好き同士が「明日は雨らしいね」などと御本尊様のもとが楽しそう、不思議な世界だわね。

 

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  • コメント ( 3 )

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  1. 松惠

    ご遠方へ大切なお役目、お疲れさまでした。
    有縁の方々をいつも案じるご住職の想いを近くで拝見しております。阿闍梨様のお気持ち、そしてお側付きのかたがおられた事で住職しかできないお役目を果たされ、よかったです。
    その方とは今年1月にお会いしたばかり。その時の笑顔やお話した事がはっきりと浮かびます。
    穏やかで、優しくて、お供えは手作りのものばかり。お下がりをいただき本当に美味しかった。
    お接待の中食をどれもこれも「美味しいね、みんなと食べるとなおさら」と云ってくださった。笑顔しか浮かびません。
    お不動様の元でカスパリ姉さんとご一緒・・お二人のお姿が浮かびます。
    この様子を語ることができるのはご住職なればこそ。

    心より追福をお祈り申し上げます。

  2. ヒデボウ

    生前中(長野のばぁーば)は大変お世話になり有難うございました。本人に成り代わり厚く御礼申し上げます。最後は苦しむことなく、いかれました。安らかな顔でした。大変残念でしかたありませんでしたが、最後の最後まで、母親の私達子供への思いやりに涙いたしまた・・。何も出来ず、これで良かったよかったのかと・・悔しさと後悔の念が残ります。明日は葬儀で最後のお別れとなりますが、最後までしかりとお見送りしたいと思います。本当に有難う御座いました。

  3. わっこ

    お参りに来られる時は必ずたくさんの手作りのお供えを持参されていましたね。
    気さくでお話し好きな方でした。
    楽しいひととき、ありがとうございました。
    追福をお祈り申し上げます。

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