思い遣り

天災や人災などで被災に遭われた方々へ心よりお見舞い申しあげます。

そして今、こうしている間にも見えないところで復旧に頑張っている人がいることを忘れてはいけない。

仕事だから…、そうではない誰だって怖いことも嫌なこともあるけれど、誰かを守りたいという思いが仕事へと繋がっていると私は思います。

ライフラインの上下水道はじめ、電気や道路の復旧作業へ頑張ってくれている人々がいる。

当寺も震度4という揺れがあり、皆様の心の支えである御本尊様をお守りすべく本堂へ走り、安否の電話をしているところへ被災地であるにも関わらず「間一髪のところ、大難を避けられました」また「住職のことだから、きっとみんなを案じていてくれるから、先に無事を連絡させていただきました!」の電話が何本も入れてくださり、私のことを心配してくださるご婦人。

「お寺は大丈夫?!こっちも揺れましたけれど、住職達もご無事ですか?」

どんなときもお寺を案じてくださる一報、心して坊守させていただきます。

真伝不動明王寺の御本尊様を信仰される信徒さんが全国におられ、振り返ればここ30年の間に歴史に残る大地震や水害などがいくつもあります。

奥尻島・中越・鳥取・阪神大震災・東日本大震災・九州熊本地震….地滑りや土砂崩れ、雲仙・普賢岳噴火・桜島・御嶽山噴火など、多くの尊い命が奪われてしまいました。

尊い命のひとつ、ひとつを忘れられません。

先日、五歳の女の子が虐待で亡くなってしまいました、信徒の一人から「小さな子が可哀想、どんなにお腹いっぱい食べたかったろうか、どんなに遊びたかっただろうか。好きなお菓子をたくさん食べたかったろうに、その子を思うと切なくて、どうぞその子に供えてやってください」その優しさを供物と一緒に届けさせていただきました。

まさに生きながらしての仏様、縁もない幼子を我が孫と思ってくださる、ありがたいことです。

今日の縁側説法は「お陰さまを考えよう」でした、近頃は更に大きな地震や災害に備え、生活そのものをシンプルにしながら伝えられることがないか考えています。

ほんの少し前の日本に冷蔵庫も電子レンジもなかった時代、熱が出たらどうしていたのだろうかなど、日本の昔を振り返ってみると便利が不便を産み出し、学ぶことも気づくことさえも忘れ、生きることそのものさえ責任転嫁する時代となっているようです。

「天災は忘れた頃にやってくる」が、忘れる前にくる時代、お互いを助け合う気遣うどころか自分さえよければ知らんぷり、今日ほど一本の電話がうれしく感じたことは久しい。

一方では、道路正面の夏刈りを黙々と続けてくれている若者、彼の友人も被災地に多く無事を祈るよう続け作業する姿。。。ありがたいことです。

モモちゃんのご家族は大丈夫かしら、チョコちゃんの飼い主さんの所は大丈夫かなぁ…

高槻市のご高齢の一人暮らしのお婆さん、高層階へ住まわれているご婦人が案じられます。

夕方「主人が今手術室に入り、不安でいてもたってもおられず、信徒の皆さんを案じられご多忙と思いますが、こんな時にしか電話をせずごめんなさい。少しお話をしていてください、我儘だと重々承知しております。」多くの人を救い、難病を患いご不安で仕方がなかったのでしょう。

三十年を越す長いご縁の方、数回の大手術を繰り返しその都度お陰さまです、できることは全てしてあげたいと「でもね、頭では分かっているのですけれど、私にはお不動様しか残っていないです。先生と話していると元気が出てきます、また、主人のために、いや自分のために最後まで主人の病と一緒に闘っていきます」愛おしい人を失うのではないか、押しつぶされそう不安のなか頑張っておられる、奥様の気持ちをそっと後ろから支え祈る。。。

お不動様とご縁のあった方々の安寧を願わずにはおられません、長年の事務方をしてくれる女性が手助けをしていてくれ、今日も最側近でありながら「住職!!大丈夫ですか?」と案じてくれる一言が心に響きうれしいですね、縁の下を支えてくれありがとう!!

私も頑張るから、みんなも頑張ろうよ!!