言い伝えのつづき
箕の言い伝えのつづきです。
先にも書きましたように、箕は神聖な道具のひとつとされています。
カラの箕を無闇矢鱈に振り回す人をときどき見かけ、何も起こらなければよいのだが……
私が知る限り、カラの箕をそのような扱いをされた人の身に不可解なことが起こることがあります。
食が細くなったり、食に困ったり、幼子が病に悩まされるなどの言い伝えがあります。
思い返すと祖母が生前中、私を原因不明の腹痛で臥せっている家に連れて行かれたことがあり、その人は酷い下痢をおこしやせ細っていました。
日本には、たくさんの神仏が祀られ、道具の神さまもおられます。
大工さんの道具を女の人が跨ぐと、道具が汚れ怪我をする
雨の日に鎌を振り回すと雷が落ちる
包丁を火のそばに置けば、刃が飛び指を切る
鍬の刃を踏めば頭の病になるなど、たくさんの話があります。
皆さんも、道具にまつわることを聞いたことはないでしょうか。
原因は、その人が箕を振り回したことと分かり、家人に振り回した箕を持ってこさせ、丁寧に拭き「神還し」をするため、紙を敷き五穀と水菓子をのせ、納屋の神さまへ供えました。
神が還ってきた箕を持ち、当人を玄関から外へ連れ出し(裏口・掃き出し窓から出してはいけない)、風の流れを読みます、無風であれば火を焚き風をおこし、箕より風下に当人を立たせるか座らせる、呪文を唱え強い風が吹いた一瞬に箕を一振り(箕の向き・持ち手に作法あり)箕を納屋に戻し、仏壇前にてご挨拶。
翌日、快方したとの知らせと私にお菓子を持参してくれました、そのままにしていたら足腰がじわりじわり立たなくなり、寝たきりになっていたかもしれませか。
今でもときどき見受けられますが、まずは医者の診察を受け、それでもというときに我が身を振り返ってみれば原因が自分にあることが多いものです。
日頃、道具に口うるさいのも、そういうことを経験しているからついやかましくなってしまいます。
「神還し」「仏還し」などは、お供えを準備したり、整えたりと手間が掛かるのです、自らの悪戯や面倒くささが招く災難なのですから、知っておき道具は大切にしましょう!
コメント ( 2 )
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箕についてのお話、興味深く拝読させていただきました。我が家でも使えなくなった物には必ず「ありがとうございました」を言ってから処分するようにしています。安価な物が増えたので壊れ易いのが困りものですが(苦笑)
昔はひとつの道具を作るのにも大変だった筈なので物に宿る気持も尚更強かったと思います。良い物を長く大事に使いたいものですね。
座敷オヤジさん ありがとうございます。
今は安価な分、修理して使うよりも購入したほうが
安いものがたくさんあります。
同時に失う技術もあることを忘れないよう
心に置いておきたいですね。
いままで見聞した言い伝えを、
少しずつ書いていきたいと思います。
座敷オヤジさんが見聞した、
言い伝えも教えてくださいね。