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優しさの中の厳しさ

師走月の10日頃から、お山も冷え込んできました。

先日、行者を見送る阿闍梨の後ろ姿より、ある師の姿が重なってみえた。

若かったあの頃、父の初七日の夜でした

夕勤を終えたあと本堂をお借りし、父へ感謝の祈りを独り経を唱えるもまだまだ浅い行中の身、瞳から湧きでるものを留めることはできませんでした。

どれくらい時が過ぎたのだろうか….

窓明りに照らされ御本尊様が浮かんできました

本堂を出ますと月明かりなのに雪が舞いキラキラと光り、フッと観ればそこに兄弟子が微動だにせず座られておられました。

頭にも肩にも雪がつもり….

息をスゥーっと…

一言も言葉を発することなく微笑んでくださいました。

人の評価はそれぞれ、伝え方もそれぞれ、調べて調べて努力し何処其処のことが分からないと、問えば流れる水の如く教えてくださる、寸暇を推し教えてくれました。

勿論、叱られもたくさんありました、いつも微笑んでおられましたが厳しさも一流、ただ不思議なことに一度も嫌だと思わなかった、それよりも作務を済ませ少しでも時間をつくり教えていただきたいの日々。

外でタクシーを待つ間、ずぅーと見送る阿闍梨さんのその姿勢の横を通り、階段を駈け降り寒いだろうと焼きたての焼き芋を手渡す女性、タクシーに乗った姿を見届けた阿闍梨から「ご苦労様」と女性に一声掛けられにっこり。

いやはや研鑚の手を緩めてはならないと思う次第。。。

さて、明日は本年最後の「和慧さんの縁側説法」いつも時間超過しているので、最後くらいご迷惑をお掛けしないようにします。

 

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