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田舎の高台にある大きな建物、中では宇宙研究の有名な先生が講義をされると聞き、チケットを握りしめ近くのホテルへ前泊

広く白で統一されたバスルーム、リラックスできそうな湯船、随行へ先に入浴を進め、夕暮れのカーテンが降りる空を眺めていた。

田舎道の土手沿いをこちらへ向かってくる男性の姿、近づいてくると見覚えのある….!

にこやかな父、およそ三十年も時が過ぎたとは思えない血色のよい優しい顔、私のいる窓際へ近づく左手に分厚い茶封筒が見える。

三角にしか開かない窓の隙間から手渡された手紙、勉強家だった父も講演を聞きにきたのだろうか、父は既にこの世の人ではないと承知するも、否定したくなるくらい愛おしい父。

まつ毛が長く大きな瞳の色は明るいブラウン、渡された手紙をしっかり受け取る際、私を見つめながら頷き静かに消えていった….

封筒の中に縁が焼け焦げた手紙と、別の用紙へ綴られたもの。

再婚した継母により、酷い虐待を受けていたことへの内容と謝罪、実家を出た私へ出そうとした手紙が継母により燃やされるのを見て、火の中へ手を突っ込み焼け残ったもの、当時の映像がリアルに再現されていく。

そして父が旅立つ前に残した私への手紙、残念ながらこちらも継母によって隠されたのでしょう、やっと回向により長い時間から解放されたのでしょう、父が亡くなってから会うのは三度目、そして間もなく永遠の別れがやってきて、私の心に思い出として残ります。

長い長い手紙には私の生まれたときの喜び、車のエンジンを二人で解体洗浄し組み立て完成した時のこと、寡黙な父が私へたくしたこと、あと少しというところ…寝たままの涙と鼻水に溺れそうになり、ハッと目が覚めてしまった。

父を恨んだことは一度もなく、感性が双子のようでしたから明るくユニーク、勉強家の父を尊敬しております。

手紙の続きを楽しみに再開できたご縁に感謝、何よりも生前の業より解き放たれ御本尊様へ感謝です。

 

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