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手段

梵鐘などを撞く理由はのちにゆっくりさせていただくとして、自由に打たせてくれる寺と打たせてくれない寺があります。

何もケチで打たせないのではなく、行事の合図・僧侶が言葉で言わなくても鐘の音を聴き動くため、打たせてくれる機会はそうありません。

しかし、お遍路さんや巡礼するお寺の中には打たせてくれる寺が多いように思います、ただし戻り鐘をつかないことです。

撞く鐘の相手は、撞木といい写真のようなT字型、吊り下げられた棒の形、お仏壇の前にあるおリンを打つのも撞木といいます。

真伝の鐘は「喚鐘かんしょう」青銅鋳造製で梵鐘の小型のもの、片手に撞木をもって鐘身の中ほどにある撞座(つきざ)をつき音を出します。

特別に誂えました撞木、頭は桜・持ち手は欅で作られており、大小の二つを調えました。

言い伝えでは火災や自然災害が起こった時,急を知らせるために「早鐘」と言う喚鐘を連打し,危険を知らせたと言われます

地域には「火の見櫓」はなく寺は安心安全のための大きな役割がありました。

私の育ちました地域は、宗派に関係なく山火事発生近くの寺が早鐘を打ち、少し離れた寺がそれを聴きまた早鐘を打つ、洪水の場合も土砂崩れがあった場合も地域の人を救うため連携し知らせていました。

どこの寺の鐘だと分かれば避難する方向も、避難する寺も分かったのです。今では「市の緊急放送」があります。

下手をすれば五月蝿いなどの苦情から、鐘をつかなくなりました。

山中では防災放送は聞こえません、登山される方が増え山火事などを知らせるには鐘の音が大きな役割を果たします、もちろん時の知らせも致します。

ご縁をいただき、皆様方の願いと共に叶えることができました。

どうか大きな災害を知らせようとするお近くのお寺に鐘があったならば、五月蝿いと仰らずこのような役目を果たすことをご理解してくださるとありがたいですね

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