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恩人の旅立ち

 

生まれてこのかた長短に関わらず影響を与え合う、ときには人生を大きく変えてしまう出会いもあります。

四国八十八ヶ所遍路へはじめて巡礼、修行時代の仲間が地元先達を申し出てくれました。

その後、石鎚山・高野山・北海道の札打ちなど、およそ巡礼の基本や心構えなどを教えてくれました、真伝不動明王寺にとってもご縁の深い北川先達、人生の半分以上を先達として勤められました。

その恩人が先達の杖を置かれ、重判が押された納経帳は朱に染められていました。

ある日「和慧さん、二十歳から全国のお遍路さんを連れ、お遍路さんのおかげで食べさせていただいたけんね、ありがたいことです。わしのささやかな功徳をお不動さんへ納めさせてください。」

様々ご縁をいただきお遍路へお出かけになられるでしょう、山門をくぐる作法にはじまり、手水鉢・袈裟や数珠・線香・灯明、雪隠・経文を唱える位置、してはいけないことなど厳しく、そして謂れを丁寧に教え伝えてくれました。

テレビ出演前からのご縁、知らないことを教えていただく、今もその教えを忘れることはありません。

真伝から団参へ来られたあと、本当に綺麗ですねとお褒めの言葉を頂戴することも度々、ありがたいことです。

先達への感謝とご冥福を心よりお祈り申し上げます。

合掌

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